「自分の仕事の相場を決めるにはどうしたらいいのか?」【あんちょこ通信6】角田陽一郎×加藤昌治 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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「自分の仕事の相場を決めるにはどうしたらいいのか?」【あんちょこ通信6】角田陽一郎×加藤昌治

あんちょこ通信 第6回

■自分の値段を、人に決めてもらう

 

角田:この質問者さんはアートディレクターさんだということだけど、こういうのってほんとに言い値だよね。

 極論すると、じゃあ油絵で何千万とか何億とかする作品だといっても、資材費は何千円でしょう。キャンバスと絵の具くらいで。

 

加藤:それはそうだね。

 

角田:そういう時、お金を払う方は極力その「何千円」に近い方の提示をしてくるものだから、どこで金額を決めていいのかと言うと、本当に決まらないね。

 

加藤:その、いわゆるその油絵みたいなファインアートの価格はギャラリー・画商が決めてくれてるのかな?

 

角田:そういう世界はギャラリーが決めてると思う。むしろ商業画家になればなるほどキャンバスの単価で決めちゃってたりするよね。

 

加藤:「○号ならいくら」みたいな話。

 

角田:その「○号ならいくら」のランクを上げてくのがギャラリーの仕事なんだろうね。

 これまで1号の作品が20万だったところ、次の作品は30万円で売れるかとか。

 

加藤:アートの話でいうと、まず「自分で自分の値段を云うのか」という話があるよね。自分からは云いにくいというかさ。絵画の場合、画商、ギャラリーさんみたいに自分の価値を知ってくれてる人がいて、その人に云ってもらうことで云いにくさを軽減するという部分はあるのかな。

 

角田:あると思う。だから芸能人にはやっぱマネージャーがいるんじゃないかな。

 

加藤:芸能人も自分からは云わないわけだ。

 

角田:言わないっていうか、言えないよね。

 

■テレビのギャラは「実績」で決まる

 

角田NHKだと、「NHKと取引して何年目」という基準でギャラが上がってくんだよ。

 

加藤:へー、そういうものなんだ。

 

角田:だから、そんなに有名人じゃなくても、例えば20年間何かでNHKに関わってるとギャラが高いんだけど、ポッと出だけどすごい人気者の出演者は安かったりするんだよね。

 

加藤:ああ、それは実績が無いと認定されるわけだ。

 

角田:そう、まさにそういうのを僕らは「実績」って呼ぶんだ。例えば僕がいたTBSでも、プロデューサーとして出演者にいくら払おうかと迷ったときは、アシスタント・プロデューサーに「ちょっと実績調べてみて」みたいに頼んで、社内の担当部署で「この番組ではこれくらい払った」という実績を調べてもらうわけ。

 その情報を元に、「前回のこの番組ではこれぐらい払ったんですけど」って出演者の側に交渉に行くわけだよ。

 そこから相手方から「でももう5年前の話じゃないですか」とか「あの時はちょっと話が違ったんですよ」みたいなことを言われて、「じゃあ、もう5万乗っけるんで」みたいに交渉をしていくものだと思うんです。

 

加藤:そうか。ということは、値付けの仕方には多分2種類あるんだね。今角田くんが云った、過去から積み上げていく「実績」パターンと、仕事をもらった側から「いくらです」って云ってしまうパターンと。

 

角田:そうだね。後者は後者で難しくてさ。仕事の関係で絵を描いてもらった時、向こうから「これぐらいのレベルの絵を何枚描くとすると、1枚いくらです」と最初に提示してくれたんだよ。それはそれで分かりやすいんだけど、ぶっちゃけ「安っ!」って思っちゃってさ。というのも1枚数千円みたいな額だったんだよね。それを聞かなかったら11万円ぐらい渡してたと思うんだけど。

 だから、これはこれで話が難しいんだよね。「仕事をする側が先に金額を提示したほうがいい」とは言うけれど、「あれ?本当はもうちょっと上乗せして言ってもよかったのかな」みたいなことは結構あると思うんだよね。

 

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角田 陽一郎/加藤 昌治

かくた よういちろう かとう まさはる

角田 陽一郎(かくた・よういちろう)

バラエティプロデューサー/文化資源学研究者 

千葉県出身。千葉県立千葉髙等学校、東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年にTBSテレビに入社。「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」「オトナの!」など主にバラエティ番組の企画制作をしながら、2009年ネット動画配信会社を設立(取締役 ~2013年)。2016年TBSを退社。映画『げんげ』監督、音楽フェスティバル開催、アプリ制作、舞台演出、「ACC CMフェスティバル」インタラクティブ部門審査員(2014、15年)、SBP高校生交流フェア審査員(2017年~)、その他多種多様なメディアビジネスをプロデュース。現在、東京大学大学院にて文化資源学を研究中。著書に『読書をプロデュース』『最速で身につく世界史』『最速で身につく日本史』『なぜ僕らはこんなにも働くのだろうか』『人生が変わるすごい地理』『運の技術』『出世のススメ』、小説『AP』他多数。週刊プレイボーイにて映画対談連載中、メルマガDIVERSE配信中。好きな音楽は、ムーンライダーズ、岡村靖幸、ガガガSP。好きな作家は、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、司馬遼太郎。好きな画家は、サルバドール・ダリ。

                                                             

加藤 昌治(かとう・まさはる)

作家/広告会社勤務

大阪府出身。千葉県立千葉髙等学校卒。1994年大手広告会社入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に『考具』(CCCメディアハウス、2003年)、『発想法の使い方』(日経文庫、2015年)、『チームで考える「アイデア会議」考具応用編』(CCCメディアハウス、2017年)、『アイデアはどこからやってくるのか 考具基礎編』(CCCメディアハウス、2017年)、ナビゲーターを務めた『アイデア・バイブル』(ダイヤモンド社、2012年)がある。           

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